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創業10周年のごあいさつ

十年という節目に

ちいさな会社の、ちいさくない約束

2025年4月6日。
合同会社フードマークは、創業から十年を迎えました。

振り返れば、乾いた風の中を一歩ずつ進んできたような日々でした。
実績も知名度もないまま始まった創業当初。
仕事のない日が続き、それでも「価値あるものを、まっすぐ届けたい」──
そんな思いだけが、心の支えでした。

ある日、宮崎県内で開かれた商談会で、中川政七商店さんと出会いました。
そのご縁が「大日本市」という展示会へとつながり、
全国のお客様や、志を同じくする作り手たちと出会うことができました。

また、2018年のその商談会では、有隣堂様が私たちの商品を見つけてくださり、取引が始まりました。

今でこそ、本屋さんで食品を扱うお店は少なくありませんが、当時としては珍しく、心強い出会いとなりました。

こうした出会いのひとつひとつが、今も私たちにとってかけがえのない節です。

やがて、世の中が立ち止まるような春が訪れました。
ひとりきりの会社だったからこそ、なんとか乗り越えられたのかもしれません。

静かな時間の中で、ふと湧いてきた想いがありました。
「自分がほんとうに使いたい文房具を、つくってみたい」

そこから生まれたのが、「ichi-clip」。
そして、初めてのグッドデザイン賞という、思いがけないご褒美。

いま振り返ると、あの静けさにも、確かな意味があったのだと思えます。

もし、創業当初からすべてが順調だったら──
きっと、挑戦する気持ちを失っていたかもしれません。

うまくいかなかった時間、報われなかった努力、
そうしたひとつひとつが、
今の私たちをかたちづくっているのだと感じています。

だからこそ、遠回りをしてきてよかった。
そう、素直に思えるようになりました。

いま、次の十年を見つめています。

あえて急がず、
静かに、ていねいに、
準備を進めています。

まだ言葉にはしていないけれど、
新しい何かが、すこしずつ輪郭を持ちはじめています。

暮らしの中に、そっと馴染むもの。
手にしたとき、心がふっとほどけるもの。

そんな存在を、かたちにしていきたいと思っています。

FOOD──食を通して。
MARK──かたちを通して。

これからも、「あってよかった」と思えるものを、
誠実に、まっすぐに、届けていきます。

これまで出会ってくださった皆さまへ。
そして、これから出会うまだ見ぬ誰かへ。

心からの感謝をこめて。

そして、時折、思います。
会社とは、いったい何のために存在するのだろうかと。

世界の情勢は、一つのニュースで大きく変わる。
自然災害も、いつ起きるかわからない。

そんな不確かな時代の中で、
私たちのような小さな存在に、どんな意味があるのか──

それでも、
誰かにとって、必要なものを届け続けること。
ほんの少しでも、誰かの日常を支えること。

それが、私たちの存在価値だと思っています。

社会の中で果たすべき役割がある限り、
小さくとも、まっすぐに。

私たちは、歩みを止めません。

これが、ちいさな会社の、ちいさくない約束です。

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